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与信管理の知恵袋 Vol.13 債権保全が必要な理由
こんにちは。MCC与信管理ラボ編集部です。
商品やサービスの代金を後から受け取る「売掛」は、企業間の取引において日常的に行われています。
しかし、売掛にはリスクが伴うため、事前の債権保全策を講じておくことが重要です。
今回は、売掛において債権保全が必要な理由をお話しします。
この記事でわかること
・売掛とは?
・売掛に伴うリスク
・売掛において債権保全が必要な理由(メリット)
・売掛において有効な債権保全の方法
そもそも売掛とは?
商品を売ったりサービスを提供したりした後、(その場で代金を受け取らずに)一定の期間をおいてから代金を回収することを「売掛」といいます。簡単に言うと「ツケ払い」の取引です。
売掛は、取引を行う双方の手間が減り、一定期間(多くの場合1カ月単位)にまとめて入金があることで、確認がしやすい取引形態です。
相手を信用して取引を行うという面では「与信取引」とも言えます。
現金のやり取りに比べてスムーズなため、さまざまな企業間取引において売掛が行われています。
売掛に伴うリスク
しかし、売掛は焦げ付きや貸倒れなどのリスクを伴います。
万が一こうした事態が起こると、自社のキャッシュフローが回らなくなり、連鎖倒産する危険性も考えられます。
よって、他の取引形態と比べると、売掛はハイリスクといえます。
売掛での取引を行う場合は債権保全サービスが効果的
ビジネスを成功させるためには、リスクを取るだけでなく、そのリスクをマネジメントすることが必要です。
事前の債権保全策として、取引信用保険や保証ファクタリングなどの債権保全サービスの利用が効果的です。
以下で、主なメリットを4つご紹介します。
債権保全サービスを利用するメリット1:売掛債権の保全が可能
第一のメリットは、売掛債権の保全が可能な点です。
万が一代金を回収できなかった場合に備えて債権保全サービスに申し込んでおくことで、突発的に発生した焦げ付きや貸倒れに伴う損失を減らすことができます。
債権保全サービスを利用するメリット2:財務・資金繰りの安定と取引先の取得
大きな貸倒損失が発生しても、債権保全サービスで補償されるため、財務内容やキャッシュフローの安定につながります。保証料は経費計上もできるため、節税効果も見込めます。
また、債権保全サービスの提供会社から取引の判断材料となる取引先情報を取得でき、効果的な与信管理につながる点もメリットと言えます。
債権保全サービスを利用するメリット3:対外信用力の向上
取引の際、債権保全サービスの利用はリスクヘッジになるとともに、企業の対外信用力を向上させます。
取引金融機関が債権保全サービスを活用したリスクマネジメントに取り組んでいることを知れば、高い評価につながります。
上記の財務・資金繰りの安定化と組み合わせることで、信用力を強化できるでしょう。
債権保全サービスを利用するメリット4:営業機会の損失防止と売上・利益の拡大
債権保全サービスによってもたらされる「安心」は、企業の売上拡大にも貢献します。
その理由は、売掛のリスクが減少することでより積極的な営業ができるためです。
たとえば、取引先企業の与信評価がそこまで高くない場合、取引リスクが大きいため、契約が立ち消えになるケースも少なくないでしょう。
しかし、債権保全サービスを利用してリスクを軽減できれば、契約に進める可能性が高まります。
結果的に営業機会の損失を防ぐことができ、売上・利益の拡大につながるのです。
売掛において有効な債権保全の方法
確実かつ迅速な債権回収には、適切な債権保全の方法を選択することが重要です。
事前にできる債権保全の方法として、主に以下の4つが挙げられます。
売掛において有効な4つの債権保全策
・支払い方法の変更(売掛から手形の発行に変更するなど)
・担保権の設定
・取引信用保険の利用(損害保険会社から保険金が支払われる)
・保証ファクタリングの利用(売掛から手形の発行に変更するなど)
(任意に設定した取引先の保証限度額をファクタリング会社に保証してもらう)
債権保全サービスの提供会社によっては、状況に応じた債権保全策を提案してくれる場合もあるため、このようなサポートを検討しても良いでしょう。
おわりに
今回は債権保全の必要性についてご紹介しました。
与信審査後もビジネス環境は絶えず変化しているため、想定外の事態が起こることも考えられます。
取引先企業の経営状況に常に注意を払うだけでなく、債権保全に取り組むようにしましょう。
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