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与信管理のプロが教える財務分析のしかた Vol.3 財務比率における注意点(固定比率、固定長期適合率)
こんにちは。MCC与信管理ラボ編集部です。
今回は企業の長期的な安全性を読み解く上で重要な2種類の財務比率についてお話します。
長期的な安全性を表す指標(一例)
企業の長期的な安全性(≒財務構造が安定しているかどうか)を表す財務比率はいくつかありますが、ここでは、以下の2つをご紹介します。
- 固定比率
- 固定長期適合率
この2つの財務比率について詳しく見ていきます。
固定比率
まず、長期的な安全性を表す財務比率のうち、固定比率についてお話します。
固定比率の計算式
固定比率は、下記の計算式で求められます。
固定比率 = 固定資産 ÷ 自己資本合計 × 100
固定比率の読み解き方
固定比率は、自己資本のうち、固定資産をどれくらいの割合で調達しているのかを見る指標です。
固定資産は回収に長い期間を要する為、一般的には、固定比率は100%以下が望ましいとされています。
しかし、他人資本(金融機関等からの借り入れ)に依存している企業が比較的多いわが国においては、100%以下の企業は必ずしも多くはありません。
したがって、より実状に沿った指標として、固定長期適合率があります。
固定長期適合率
固定長期適合率についてご説明します。
固定長期適合率の計算式
固定長期適合率は、下記の計算式で求められます。
固定長期適合率 = 固定資産 ÷ (自己資本合計 + 固定負債) × 100
固定長期適合率の読み解き方
固定資産(土地建物等、多額の資金が張り付いて寝てしまうもの)は自己資本(返済の必要のないもの)と固定負債(長期に亘って返済が認められるもの)での調達が望ましく、固定長期適合率は資金の流動性を判断する重要な指標です。
固定長期適合率は、一般的に100%以下が望ましいとされています。
100%を超える場合、設備投資等を短期の返済資金でもって調達していることを意味しており、資金繰りが不安定と言えるでしょう。過大設備投資ではないかと疑ってみる必要があります。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
各財務比率の算出方法には諸説ありますが、今回は、代表的なものをご紹介しました。
固定比率と固定長期適合率は、企業経営の健全性を評価する上で重要なポイントです。
取引時には、お取引先の長期的な安全性について注意深く確認しましょう。
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