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与信管理の知恵袋 Vol.38 緊急(倒産)対応策について(前編)
こんにちは。MCC与信管理ラボ編集部です。
与信・債権管理に十分な注意を払っていても、焦付きをゼロにすることは困難です。
不幸にも取引先が倒産してしまった場合には、焦らず適切な初期動作をすることが大切です。
今回は、前編と後編に分けて、取引先が突然倒産した場合の対応についてご紹介します。
前編では、取引先の倒産直後の具体的な初期動作と確認のポイントについてまとめていきます。
現場の状況確認
まずは事実確認が大切です。実際に倒産会社へ出向き、速やかに現場の状況確認をしましょう。
1人では冷静に対応できないことや、トラブルに巻き込まれる可能性もあるため、可能な限り2人以上で現場へ向かってください。
下記のものは必須で携帯しましょう。
・契約書等のコピー
・カメラと携帯電話
・紙と筆記用具(その場で「同意書」等を作成しなければならない場合もあります)
事務所が閉鎖されている場合
事務所等の周辺の状況を確認するとともに、貼り紙がしてある場合には、その内容を全て書き記すか、写真に撮りましょう。
事務所の中に立入りが可能である場合
社長、その他幹部や従業員の動向とともに、他の債権者(整理屋等を含む)の動向も把握しましょう。
経営幹部と面談ができる場合は、できる限りのヒアリングをしましょう。
ヒアリングのポイント
・倒産形態(手形不渡り・任意整理・法的整理)
・今後のスケジュールと連絡先
・倒産の原因
・主要債権者とその債権額
・主要取引先、売掛金と買掛金の状況
・当社が納入した商品の在庫状況(転売されていれば転売先とその明細)
工場・倉庫の中への立ち入りが可能である場合
工場・倉庫の中に立ち入ることができる場合には、在庫の状況を把握しましょう。
実際に立ち入る場合には、相手先の責任者の同意を取り、一緒に立ち合ってもらうようにします。
無断で立ち入った場合には、住居侵入などの刑事罰に触れる可能性があります。そのため、相手先の責任者が一緒にいるところを写真に取っておくことも有効です。
債権債務等の確認、社内打合せ
現場の状況確認と並行して、「債権債務・契約残高の確認」と「契約書類等の確認」、さらに「社内打合せ」を迅速に行いましょう。
未計上・未請求分を含めた現時点での債権の総額と明細、未履行契約残の明細と出荷スケジュールを確認することが必要です。
未履行契約の出荷は、ただちに差止める必要があります。
また、買掛金等の債務がある場合は相殺に備えて支払停止にします。
担保も含め契約書等の書類の確認も行いましょう。
営業部門のみならず、管理部門も含めて社内打合せを行い、対応方針及び具体的対策を策定、全員で確認しましょう。
おわりに
取引先の突然の倒産の際に一番大切なことは「慌てないこと」です。
損害の回避や軽減のために、状況に応じた心構えと初期動作を確実に実行していきましょう。
後編では、初期動作で得た情報を元に適切な保全の対策について学んでいきます。
後編の記事はこちら。
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