VIEW MORE
与信管理の知恵袋 Vol.31 中小企業のための与信管理
こんにちは。MCC与信管理ラボ編集部です。
中小企業が与信管理をする場合、専門部署が設置されていないケースや、与信審査の担当者が不足しているケースがあります。
そのため、外部の与信管理サービスの利用など、与信管理の方法に工夫が必要です。
今回は、中小企業の方に向けた、与信管理の注意点や具体的なリスクマネジメントの方法をご紹介します。
中小企業が取引を行う際の注意点
取引先企業の経営状況の悪化は、自社の経営に影響を及ぼす可能性があります。
中小企業の中には、大手企業との取引は安定性が高く貸倒れが起こりにくいと、過度に信用してしまう企業が少なくありません。
取引を大手企業に依存している場合、取引相手先の倒産といった不測の事態が起きた際に、連鎖倒産をしてしまうことも考えられます。
こうした事態を回避するには、新規取引の判断はもちろん、取引開始後も信用変動を継続的に監視することが大切です。
与信管理でトラブルの前兆に気付くことができれば、早期に対策を打つことが可能です。債権保全についても事前に計画を立てることができます。
しかし、中小企業の多くは与信管理に関わる専門部署を設置していません。
専門家を雇い入れる場合も、与信管理のスペシャリストを育成する場合も、費用と時間がかかります。
その結果、多くの中小企業は、社長の経験と勘を頼りに与信管理が行われているケースや、経理や法務の担当者が与信管理を兼務するケースなど、リスクマネジメントが十分に行われていない場合があります。
中小企業のための与信管理サービス
「与信管理の必要性については理解できるが、専門部署の設置は難しい」という場合に、時間とコストを最低限に抑えて行うリスクマネジメントが、与信管理サービスの利用です。
長年にわたって与信管理のサポートを行ってきた提供会社は、社内に膨大なデータとノウハウを蓄積しています。
取引先企業の基本情報だけでなく、格付や倒産確率の算出データなどが提供される場合があり、与信限度額(与信枠)などの参考にすることができます。
与信審査の判断材料が得られることは、専門部署を持たない中小企業にとって大きなメリットです。
さらに、社内での与信情報の整理や分析にかける時間が短縮できるため、社内決裁までの時間が効率化され、営業機会の損失を防ぐことも可能です。
中小企業が事前にできる債権保全策
中小企業にとって、1つの取引先が倒産するだけでも経営に大きなダメージとなり、利益損失に繋がる可能性が高くなります。
そのため、与信管理の一部として事前の債権保全策を講じておくことが大切です。
以下に、その方法をご紹介します。
経営セーフティ共済
中小企業倒産防止共済とも呼ばれ、取引先企業の倒産時に融資を受けられる制度です。
厳密には債権保全とは言えませんが、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しており、昭和53年4月にスタートした長い歴史を持ちます。
中小企業の連鎖倒産、経営難防止、無担保・保証人なしで早期に借入れが可能になるメリットがあります。ただし、返済義務があることに注意が必要です。
取引信用保険
取引先企業の倒産などにより債権の回収を行えない場合、損害保険会社から保険金が支払われる債権保証サービスです。
経営セーフティ共済より継続的なコストはかかりますが、リスク発生時の融資ではないため、より実質的な債権保全といえます。
保険のプランによって、取引先毎に支払限度額が判定される場合と、支払限度額の上限があらかじめ定まっているものがあり、企業の経営状況やニーズにあった保険を選ぶことができます。
保証ファクタリング
ファクタリングとは、「要因・要素」といった意味に加えて「代理人」という意味があります。
保証ファクタリングは、取引先企業の売上債権が未回収になった際に、保証限度額を上限として保証金が支払われる債権保全商品のことです。
保証ファクタリングを利用することで、信用不安のある取引先への債権保全が可能になります。
おわりに
与信管理の専門部署を持たない中小企業であっても、様々なサービスを活用することで自社にとって最適な与信管理・債権保全が可能です。
サービスの導入により、営業機会の損失を防ぐとともに、万が一の場合に備えが可能となります。
自社で適切な売掛におけるリスクマネジメントが行えていない場合は、ご紹介した与信管理・債権保全サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
資料請求をされた方に『倒産徴候のチェックポイント』をプレゼント!
※資料のご請求(無料)はこちらからお申し込みください。