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与信管理の知恵袋 Vol.8 与信取引に潜むリスクとは?焦げ付きや貸し倒れが発生した場合に生じる4つの損失
こんにちは。MCC与信管理ラボ編集部です。
今回は、与信取引が内包するリスクについてお話します。
与信取引に潜むリスク
企業間の取引においては、一般に、取引先に信用を供与し、商品・製品を納品(または、サービスを提供)した後に代金を受け取る「与信取引」を行います。
この「与信取引」は、販売代金の回収可否に関して一定のリスクを伴います。
※ リスクの程度は、取引先の信用状態や取引条件等によって異なります。
仮に、経営状態が思わしくない企業と取引を行った場合、代金の焦げ付きや貸し倒れが発生する可能性があります。
相手先の経営状態を分かっていれば、このような企業との取引を避けることができるのですが、取引先の実態を知らずに取引を開始してしまった場合、代金が入金されるその瞬間まで代金を回収できないリスクが高まります。
代金(売掛金)が未回収になった場合の悪影響とは?
では、焦げ付きや貸し倒れが発生してしまった場合、どのような損失が生じるのでしょうか。4つの項目から見てみましょう。
利益の消失
第一に考えられるリスクは、利益の消失です。しかし、これは単にプラスがゼロになったわけではありません。
本来得られるはずであった利益が失われるということは、その利益獲得のために使ったヒト・カネ・モノという資源を失ったのと同じことです。
さらに、損失計上によって決算にマイナスの影響も及ぼします。
損失を取り戻そうとしたとき、営業活動にかかる負担
たとえば、利益率10%の商品1,000万円が焦げ付いたとしましょう。
同じ商品で1,000万円の利益を出してこの損失を取り戻そうとすると、同じ商品を1億円分販売することが必要です。
このために必要な営業努力は相当なものと考えられます。
また、この売上を達成しようと無理な営業活動を行えば、さらなる焦げ付きを招く可能性もあります。
資金繰りへの影響
代金(売掛金)の未回収はキャッシュフローにも悪影響を与えます。
商品や原材料の仕入れを行っている企業であれば、売上の入金を当てに支払いのスケジュールを立てている場合も多いでしょう。
しかし、取引先が倒産し、これが回収できないとなれば、資金を別口で調達しなくてはなりません。
資金繰りが狂えば、最悪な場合は倒産を招く可能性もあります。
なお、こうした状況を連鎖倒産と呼びます。
信用の低下
与信管理の失敗は、対外的な悪影響も懸念されます。
「取引先の与信管理ができていない」という評価は、自社の信用を低下させます。
仕入れ先や金融機関からの与信枠が下がり、これまで通りの企業活動が行えなくなる可能性も考えられます。
与信管理でリスクを回避
このように、たった一つの焦げ付きが上記のような事態を招くことは十分に考えられます。
取引先の与信を正しく評価・管理し、取引の可否や金額、期間を定めることは、これらの悪影響を回避するために有効な手段といえるでしょう。
ただし、焦げ付きや貸し倒れを恐れるあまり消極的な取引を行っていては、売上や利益を向上させることはできません。
与信管理を通じて取引先を優良取引先と要注意取引先に区分し、優良取引先と大きな取引を行い、経営状態が危ぶまれる企業とは取引額や回収期間の調整を行うことが重要です。
おわりに
与信管理の目的は、取引先からの代金未回収で発生するリスクを排除・低減しつつ、企業の売上・利益を最大化することにあります。
代金回収における不確実性を継続的にコントロールし、事業に取り組む体制を整えましょう。
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