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与信管理の知恵袋 Vol.33 与信管理・債権管理の概念について
こんにちは。MCC与信管理ラボ編集部です。
取引先から確実にお金を回収することは、会社の規模に問わず非常に重要なことです。
安定的に取引先と仕事をする上で、「与信管理」「債権管理」の考え方がとても大切になります。
今回は、「与信管理」「債権管理」の基礎知識として、その概念についてご紹介します。
「与信管理」とは
「与信」とは、文字通り「信用を与える」ことです。
現代の「信用経済」では、相手先を「信用」して行なう経済活動が経済の基盤となっています。
「信用を与える」=「リスクを負担する」ということですので、相手が「与信」に耐えうる相手かを注意して判断する必要があります。
こうしたことを踏まえ、取引先との「契約条件」の中で重要なことの1つに、どれほどの与信額をどれほどの与信期間として設定するか、というものがあります。
例えば、「5百万円の商品を3月末に引渡し、代金支払を引渡し後3ヶ月目の約束手形で支払う」という契約条件で注文を受けたとします。
この場合、商品を3月末に引き渡し、約束手形が現金化するのは6月末になります。
従って、5百万円の信用(リスク)を3ヶ月間与える(負担する)ことになり、相手がこの与信に耐えられる相手かを判断する必要があります。
与信形態の一例を挙げましたが、これ以外にも
- 商品を預ける⇒契約通り返してくれるか
- 商品を買った⇒契約通り商品を引き渡してくれるか
- 金を貸した⇒契約通り返してくれるか
等、与信形態は色々ありますので、取引内容ごとのリスクに注意し、与信管理をする必要があります。
「債権管理」とは
続いては、「債権管理」についてのお話です。
「債権管理」は、一般的に「与信管理」と同じ位置付けで管理されることも多いですが、「与信管理」と「債権管理」をそれぞれ区分する場合は、以下の2つの考え方があります。
「商品の引渡」を境目にする考え方
販売代金の債権回収リスクが「発生する前」と「発生した後」に区分するものです。
この場合の「債権」は、「販売代金債権」となります。
「販売代金債権」が支払期日通りに履行されるか「代金債権残高」を管理します。
「売買契約締結」を境目にする考え方
この場合は、「販売商品の引取請求債権」+「販売代金債権」が「債権」となります。
販売商品を引取期日に引取ってくれるかを「契約残高(受注残高)」から管理し、続いて発生する「販売代金債権残高」も管理する方法です。
与信管理や債権管理としては、「商品の引渡」を境目とする考え方が一般的ですが、商品の汎用性が低い場合(販売先以外では使用できない商品)は、「販売契約履行リスク(引き取ってくれない場合のリスク)」は非常に高いと考えられますので、注意が必要です。
おわりに
与信管理と債権管理の概念についてご紹介しました。
取引内容ごとのリスクを理解し、正しい契約や管理をすることはとても重要です。
新規の契約に加えて、既存の契約についても、いま一度、その重要性について社内で議論されてもよいかもしれません。
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